| この2軒のサマー・ハウスは、ナンタケット島の海岸に並んで建っている。ともにシングル葺きの外観をもっていて、ここに住む人たちは親類どおしである。設計者は、トゥルーベック邸を複合的で対立的、ウィスロッキ邸を不格好で月並み的であるとしているが、その違いをデザインのなかに見出すことは、むずかしい。むしろ、前者が3階建てにもかかわらず、後者と同じ比例の窓を巧妙にあけてあるために、同じスケールを感じさせる。両者の相異はトゥルーベック邸のパラディアン・ウィンドウにある。しかし、この窓といい、設計者のいうセリヌンテの神殿をもじった3段あるポディウムといい、歴史的建物への参照は、パロディというよりもアイロニーを感じさせる。窓の位置の微妙なずれやプランでの階段の位置のずれにこの設計者ならではの面白さがみられる。 (a+u 1981年12月臨時増刊号)
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..2013/02/26(火) 01:17 No.3308 |
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