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「・・・私は鳥籠のある部屋で、眼を覚ましました。その中の鳥は眠っていたのです。私はその鳥がいなくなって、かわりにタマゴが入っていると錯覚してしまいました。おかげで私は、新しい、驚くべき詩的な秘密を手に入れたというわけです。なぜなら、そのとき私が経験したショックは、互いに関係のないオブジェどうしの出会いによってひきおこされたものだったからです。」
「私たちは籠のなかに鳥がいるのは当然だと思っていますが、その鳥が、魚とか靴とかといれかわれば、もっとおもしろくなります。でも、仮にこうしたイメージが奇妙だとしても、それらは残念ながら偶然によりかかった恣意的なものです。これしかない、といったものによって検証に耐える、そんなイメージを獲得することも可能です。それこそが籠のなかのタマゴなのです。」
視覚の裏側展カタログp.17-18 |
..2016/06/14(火) 02:51 No.3661 |
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