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NY市場で暴落のサインが出現した。「ヒンデンブルグ・オーメン」といって、市場関係者を恐怖のドン底に突き落とす不吉な予兆だ。
値上がり株と値下がり株の比率などから算出する分析手法で、このサインが出ると、その先1カ月間は警戒が必要となる。
「NYダウが終値ベースの最高値1万7279ドルを付けた今月19日にヒンデンブルグ・オーメンが出ました。その後、NYダウは振れ幅が100ドル以上という乱高下を繰り返しています。日本市場への影響が心配です」(市場関係者)
日経平均は25日に年初来高値を更新するなど、イケイケ相場になりつつある。週明け29日は前週末比80円高と反発して1万6310円。兜町では「年内1万8000円が見えてきた」の声も出始めた。
そんな矢先の暴落サインだ。
「あくまでNY市場のジンクスですが、日本と無縁とは言い切れないところが怖い」(株式アナリストの黒岩泰氏)
1年半ほど前の13年4月にもヒンデンブルグ・オーメンは表れた。このとき、大暴落に見舞われたのは東京だった。13年5月23日、日経平均は1143円も暴落している。
「NY市場はほぼ無風でした。いまや世界の株式市場はリンクしているし、NYの暴落サインが東京を襲っても不思議はない。今回も油断は禁物です」(証券アナリスト)
海外ハゲタカ勢は、東京市場について、12月上旬までは株高を意図的につくり出す“官製相場”が継続すると睨んでいるという。
「消費税率10%を実現するために、日経平均は上げ下げしながら1万7000円、1万8000円と駆け上がるでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)
暴落とは無縁――多くの市場参加者がそう認識しているから逆に危ないらしい。ハゲタカが“売り浴びせ”を仕掛けてきたら、相場は不意を突かれ、パニックに陥る危険性がある。
「著名投資家のソロス氏やバフェット氏は、暴落局面で利益の出るプット・オプションを大量に買っているという情報が流れています。彼らは、急落を予想しているのです」(黒岩泰氏)
高値更新に踊らされ、表向きのイケイケ相場にのめり込むと大ケガをしかねない。
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